第2話・その6


ガイ・ランダーは自ら召喚した虎型メカ、ランドタイガーと合体し、身長約20メートルほどのロボットを形成した。

ランドガイアン「これは…全身にさっきと比べ物にならない力がみなぎっている!これなら…」

仁王立ちに敵兵器を睨み付ける。

ロカリス軍部隊長「やはり聖獣ティグと合体しやがった…まあいい。面白くなりそうだ。行け!!」

敵兵器が殴りかかる。しかしランドガイアンは左手で軽く受け止め、右手でこぶしを作って逆に殴りかかる。

今度は敵兵器の方が吹っ飛ぶ。地面に激突したあと、数メートルほど滑った。

ランドガイアン「凄いパワーだ…」

地の精霊「くるぞ!」

敵兵器は倒れたまま数発のミサイルを放ってきた。が、すべて難なくかわしきる。

ランドガイアン「スピードも上がっている…これなら勝てる!」

ようやく敵兵器が立ち上がった。そして脚部から長剣を取り出し身構えた。

ランドガイアン「こっちの手持ちの武器は…。」

地の精霊「片刃の剣、ランドブレイカーを使え!」

ランドガイアン「O.K!…ランドブレイカー!!!」

胸のクリスタルから飛び出した緑色の光球が剣を形作る。それを手にとり、こちらも身構えた。

敵兵器が剣を振りかざし、突進してくる。ランドガイアンは剣の峰部分で受け止めるが、強い衝撃を受け後ろに下がる。攻撃が激しくなると受け止める事すら難しくなり、体に当たるようになる。

ランドガイアン「ぐっ…痛い…」

ロカリス軍部隊長「剣の扱いが下手だな…ようし、切り刻んでしまえ!」

地の精霊「大地、離れるんだ!」

ランドガイアン「くっ、どうやって…!!ロックバーン!!!」

胸のクリスタルから緑色のクリスタル弾を放ち、敵兵器にぶつける!不意打ちのせいか、敵兵器は大きく吹き飛んだ。

ランドガイアン「ふぅっ…」

地の精霊「大地、剣を振るった事は無いのか?」

ランドガイアン「ああ…せめて剣道を習っておくべきだった。」

地の精霊「では、剣のような細長い物を振るった事は?」

ランドガイアン「うーん、バットなら…野球は得意だけど。」

地の精霊「…バット?なら、それを使うように振ってみろ。」

ランドガイアン「だが、あのロボットが余り不規則に動いたら、正確に当てられない。」

地の精霊「心配するな。あれを足止めするための技もある。この光球でな。」

と胸のクリスタルから緑色の光球が飛び出した。ランドガイアンはそれを掴み、敵兵器に向かって投げつけた。その光球は敵兵器を包み込み、地面からほんの一寸浮かせた状態で静止する。

ロカリス軍部隊長「何!…振りほどけ!攻撃しろ!何やってるんだ!!!」

その声に敵兵器は反応し逃れようとするが、全く動けない。

ランドガイアン「さあ来い!…あれ?」

地の精霊「何やってる、さっさと切りかかれ。」

ランドガイアン「いや…バットを振るうには向こうから飛んでこなければ…」

地の精霊「あれはあの場で止まっている物だ。早くしろ!長くは持たせられん!」

ランドガイアン「うっ…仕方ない、向こうが来ないならこっちから行っても同じか…行くぞ!」

ランドガイアンはランドブレイカーをバットを持つかのように握りなおす。左足を一歩踏み出し、右膝を上げると同時に背中から噴射し、左足で地面を蹴った。

ランドガイアン「うおおっ!」

地面すれすれを滑空し、敵兵器に急速接近する。

ランドガイアン「ガイアッ…フィニーッシュ!!」

右足を地面に叩きつけるのと同時に左肘が上がり、左腰が突きつけられる。すぐに両肩が回り始め、それにつられて左肘が前へ出る。その肘に引っ張られるようにランドブレイカーを握る両手が振られた。ランドブレイカーの刃先は敵兵器にぶつけられ、そのまま切り裂いた!!!

ザシュッッッ!!

叩きつけたまま地面を滑っていた右足は摩擦が大きくなり、やがてランドガイアンの体は停止した。

止まると同時に敵兵器は一瞬光を放ち、爆発炎上した。

どぅっかーーん!!!

ランドガイアンは爆発した方へ向き直り、ふぅっと大きくため息をついた。

 


 

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