第2話・その7


合体を全て解いた大地に、兵士F&Gが駆け寄る。

兵士F「大地殿!やりましたね!!」

兵士G「大勝利おめでとうございます!」

大地「ああ、何とかな。さぁ、王宮に戻ろう!」

帰りも再びランドビークルに乗り込んだ。


離れて見ていたロカリス軍部隊長は…

ロカリス軍部隊長「ちっ…負けやがった…覚えていろ!!」

捨て台詞をはいてその場を離れた。


監視台の兵士からの報告を受けていたせいか、王宮に戻った大地はすぐに国王に呼び出された。

国王レオン「うむぅ…。待機していろと命令したはずだが…」

王女セレナ「お父様!私がお願いしたのです。責めるなら私を…。」

レオン「やはりお前か…ハンクからお前が大地殿の部屋の前に居た事を聞いていたから、そんな気がしていたのだが…」

セレナ「申し訳ありません。」

レオン「まだ『勇者ガイアン』であることが証明されたわけではないのだぞ。」

兵士F「いえ、間違いなく『勇者ガイアン』です。」

さっき同行した兵士Fが声を上げる。

兵士F「大地殿は聖獣ティグを召喚し、合体しました。これで司祭長殿が申された『証拠』は満たされました。」

司祭長リンネル「ぐむむ…」

レオン「司祭長殿、これで大地殿を『勇者ガイアン』として迎え入れても不満はあるまいな?」

リンネル「…分かりました。これ以上は何も言いませぬ。」

リンネルは悔しそうな顔をして出て行った。

レオン「さて、大地殿。疑ったりして済まなかった。」

大地「いえ、気にしてませんから。それよりも、早く仲間を捜しだしたいのです。」

レオン「勿論承知しておる。だが、もう日が暮れる。今日はゆっくり休んで、明日からにしよう。」

大地「ありがとうございます。では、改めて…宜しくお願いします。」


大地は特別待遇、ということで、王族と近衛部隊長のみが入れる領域に通された。国王曰く、この領域内に8人のための部屋を設けてもらえるそうだ。まぁ、完成するまでは近衛部隊長の住宅の一部を間借りする形になる。勿論贅沢は言えないが。


その日の夜…

大地は食事も風呂も済ませ、廊下で風に当たっていた。みんなそれぞれの部屋に戻っており、風の音以外は何も聞こえなかった。

今日一日の出来事を頭の中で繰り返していた。本当に良いのだろうか…自分が伝説の『勇者ガイアン』ということになっているが、実感が無い…。伝説かぁ…もっと良く知りたいなぁ…ん?

ふと振り返ると王女セレナが立っていた。

セレナ「大地様…どうなさいました?」

大地「ああ、ちょっと風に当たっていただけですよ。」

セレナ「そうでしたか…。お食事は口に合いましたか?」

大地「ええ、大変に美味しかったです。特に

セレナ「本当に?…フフッ、嬉しいです。あれは私が作ったものですの。」

大地「え?そうなんだ。本当に美味しかったですよ。また作って下さい…って勝手な事並べて申し訳ない。」

セレナ「いえいえ、是非作らせてください。」

セレナは心から喜んでいるようだ。大地はそんなセレナの表情に見とれていた。

セレナ「?大地様…」

見つめられている事に気付いたセレナは思わず顔を逸らす。

大地「あ、失礼…。」

大地も顔を逸らす。…気を取り直して、

大地「この王宮に資料室のような処はありませんか。明日、色々調べてみたいのです。」

セレナ「え、ええ、在りますわ。また明日、ご案内いたします…それでは失礼します。おやすみなさいませ。」

大地「ああ、お休みなさい。」

ベッドの上で大地は一寸ぼーっとしていた。

セレナも少しぼーっとしていた。

夜は更けていく…。


※第3話予告※

ようやく仲間の捜索にも取り掛かれる。だが、ランドガイアンの武器、ランドブレイカーを使いこなす自信が無い大地はそのことを気にしていた。それを克服すべく、彼は近衛部隊長ハンクに修行の依頼をする。そんな最中、仲間が見つかったとの報告が入った。誰だろう…?早く会いたい…。

次回、勇者大陸ガイアン『音速の勇者』

音彦「いよいよワイの出番やな!やったるでぇ!!」

 

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