第1話・いざ勇者大陸へ! その1

 

 

「伝承は真実でしたな。科学文明の世界が存在し且つ我々の世界と表裏一体で在ることが…。」

「して、目的の人間は見つかったか?」

「彼が居れば、計画が予定以上に早く進むことは間違いないでしょう。」

「引き込む計画のほうは?」

「近日中に接点の調査に訪れるようです。その時が狙い目でしょう。」

「ところで、奴らの動きは?」

「いにしえの大戦で活躍した勇者たちを、『あの世界』から精霊と融合できる人間を連れてきて復活させる模様です。」

「厄介な戦いになりそうですな。」

「少し派手にやりすぎましたか。」

「いや、あのシステムを知る為なのだ。世界を三つに分けるきっかけと言っても言い過ぎではない、あのシステムを…。」


「お母様、この指輪とブローチは?」

「私の代わりに貴女を守ってくれるアイテムです。」

「代わりだなんて、いくら最近お体の調子が良くないからって…お母様らしくありませんわ。」

「ふふ、大げさだったかしら?とにかく身に付けておいて頂戴ね。」

「分かりましたわ。それにしても、このブローチのデザイン、どこかで見たような…まさか!!」

「ええ、世界は再び動き始めようとしてます…貴女も十分気を付けなさい。」


「融合できそうな人物は見つかったか?」

「現在探索中ですが、未だに…」

「早急に頼む。奴らも動き出しているのだ。先手を打たれぬように…。」

「お任せください、ユリエル様」 


 

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